『キングコング対ゴジラ』　その画質は！？〔高島忠夫/藤木悠/佐原健二/有島一郎〕

『キングコング対ゴジラ』　その画質は！？

　ハリウッド製『ゴジラ』の公開に連動して、東宝のゴジラ作品全てがブルーレイ化されました。

　管理人が入手したのは、昭和を彩った上記の４作品（『ゴジラ』『キングコング対ゴジラ』『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣　地球最大の決戦』）。

　この４作品で最も注目すべきは、『キングコング対ゴジラ』です。

　初のブルーレイ化となります。

『キングコング対ゴジラ』

　「キングコング対ゴジラ　予告篇」

　何故『キングコング対ゴジラ』を取り上げるかというと、この作品の全長版は長い間まともな画質では鑑賞出来ないでいたからなのです。

　ウィキペディアにはこう記されてます。

　1970年春と1977年春の東宝チャンピオンまつりでもリバイバル上映された。
　1970年の「チャンピオンまつり」での再上映の際に、当時の「再上映では封切版と同じ尺で上映しない」との上映館との取り決めのため、再編集版が制作されたが、この際にオリジナルのネガフィルムをカットしての再編集が行われた。
　これを受けて、1984年に発売されたビデオソフトでは、レンタル上映用の退色した16ミリポジフィルムの映像でカット部分を補ったものが「オリジナル復元版」と銘打ってリリースされた。また、初版レーザーディスクでは編集作業途中の物が誤って製品化されてしまい、回収されるという事態も起きている。
　現在流通している映像ソフトにおいては、その後発見されたカット部分のネガフィルムを基にした鮮明な映像が復元されている。また、2008年10月から始まった日本映画専門チャンネルでのシリーズ全作品ハイビジョン放送の際は当該部分について、DVDのマスターをアップコンバートすることで対処している。一方で、完全版の復元フィルムによる劇場での上映はいまだ実現できない状況にある。

　１９７０年代初め映画産業は、娯楽の王者の座をＴＶに奪われ斜陽まっしぐらの状態（『ガメラ』の大映が倒産してます）。

　東宝は短縮版制作にあたって、あろうことかオリジナルのネガに鋏を入れるという暴挙にでてしまいました（普通はネガを複製するんですってね。経費削減とはいえ、作品に対する敬意がまるで足りないとしか）。

　カットしたフィルムは行方知れずとなり、再び発見されるまで長い眠りについてました。

　発見されたフィルムと短縮版を繋ぎ合わせたところ、その画質に大きな差が出たという話。

　統一された画質にするには、デジタル技術の進歩が不可欠だったのでしょう。

　２０１４年にやっとブルーレイ化されました。

　しかしamazonのレビューを読むと、その画質には不満の声ばかりなのです。

　東宝特撮Blu-rayセレクション発売開始から5年弱、
　待望の再開となったゴジラシリーズのBD、まずは本作を購入です。

　──なのですが。
　過去のDVDでも感じていた、映像の色調。
　全体的に暖色系が強く出ているように感じます。
　それは、「千と千尋の神隠し」の悪夢ほどではないにせよ、個人的には残念な画質でした。
　特に、後述する新規映像特典で使用されている本編映像の方が、オリジナルフィルムの色調に忠実なのではないかと思えます。
　やはり、オリジナル版復元作業において、不可避な問題点があったのでしょうか？
　さらに、コントラストがやや強く感じましたし、クライマックスの富士山における対決シーン、特に前半（コング劣勢の部分）では、フィルムが赤茶色く退色したような色調です。
　この色調に関する部分は、明らかに過去ソフトよりも退化しています。
　DVDよりも進化した部分（HD画質）と、退化した部分が混在している本編映像には、とても複雑な心象です。

　1962年、リアルタイムで映画館で観て、あまりの面白さに、通算20回以上は劇場で観た、ゴジラ映画の中でも一番好きな「キングコング対ゴジラ」。そのBlu-ray版が出るというので、待ちに待って、かなり期待した本作。実際に手にしてみると、色はオリジナルカラーからは程遠く、くすんだ色彩で、しかも暗い。画質もBlu-rayにした意味があるの？と思う位い粗い仕上がりでした。このBlu-rayを入手する前に、日本映画専門チャンネルでやった本作の放送を観たが、そちらの方は、驚くほど美しく、私が当時映画館で観たのと同程度の色彩。しかもゴジラの皮膚感や、コングの毛の一本一本までも分かる程リアルに再現されていて、驚愕しました。当然、東宝からリリースされるものは、これ以上の内容になる筈だと思ってたのですが…。雑誌には、本作の、ものすごく奇麗な状態のフイルムが発見されたので、今度リリースされるBlu-rayにそれが入るのではないか…。と書かれていたんですが…。

　管理人はこれ１本しか所持していないので、比較することが出来ません。

　全長版と短縮版を見比べただけですが、レビューで叩かれているほどの不満は感じませんでした。

　再生機器が貧弱なので、違いが解らないのだと思います。

　これが６０インチ程度の大画面なら、画質云々ははっきりするんじゃないかと。

　公開時の色にどれだけ近付いているのか！？　オリジナル・プリントを鑑賞した方の意見を聞いてみたいものです。

　「ゴジラ総選挙～あなたが選ぶ！ベスト・オブ・ゴジラ～」、最終結果が発表されました。

　栄えある第１位に輝いたのは、『ゴジラＶＳビオランテ』。

　『キングコング対ゴジラ』は第７位でした。

　　　　http://www.nihon-eiga.com/osusume/the-best/result.html

　↓なかなか病から回復出来ないでいます。なので久々の更新です。薬はちゃんと飲んでるんですけど、効き目がないというか……。今日はたまたま体調が良かったので、寝ながらキーボードを打ってます。