「悪いあなた」 ベティ・エヴェレット
「悪いあなた」 ディー・ディー・ワーウィック
カヴァー・ヴァージョン対決 その9
スウィンギング・ブルー・ジーンズ VS. リンダ・ロンシュタット VS.
ヴァン・ヘイレン
これまでは2組によるカヴァー対決をお届けしましたが、今回は特別に3組による聴き比べです。
冒頭でお聴きいただいたのは、1963年リリースの「悪いあなた」。ウィキで調べてみたのですが、どちらがオリジナルかは判明しませんでした。競作ナンバーだったのかも。
カヴァー対決のトップバッターはビートルズと同じリヴァプール出身のグループ、スウィンギング・ブルー・ジーンズです。
「悪いあなた(1964年)」 スウィンギング・ブルー・ジーンズ
お次はアメリカ西海岸の歌姫、リンダ・ロンシュタットのカヴァー。全米1位を獲得してます(スタジオ録音ヴァージョンはYouTubeにありませんでした)。
「悪いあなた(1974年)」 リンダ・ロンシュタット
3組目はヴァン・ヘイレン、1979年のセカンド・アルバム『伝説の爆撃機』の1曲目です。
「悪いあなた(1979年)」 ヴァン・ヘイレン
それぞれ味わいが違う3組でしたが、この曲はやはりリンダ・ロンシュタットでキマリですね。伊達に全米1位を獲得してません。
彼女をプロデュースしたのはこの人物。スウィンギング・ブルー・ジーンズと同時期に活躍したイギリスのデュオ、ピーター・アンド・ゴードンのピーター・アッシャーです。
ピーター・アッシャー
デビュー後のリンダ・ロンシュタットは、彼にプロデュースされるまではあまりパッとしませんでした。
「悪いあなた」の大ヒットで、一躍スターダムへと駆け上ったのです。
1960年中盤のイギリスは、“ブリティッシュ・インヴェイジョン”の一大ブーム。
1960年代中盤、ザ・ビートルズ、ローリング・ストーンズに代表されるイギリスのロック・バンドがアメリカで巻き起こした旋風をブリティッシュ・インヴェイジョン(第1次ブリティッシュ・インヴェイジョン)という。その他の主なアーティストとして、キンクス、ザ・フー、ハーマンズ・ハーミッツ、デイブ・クラーク・ファイブ、アニマルズなどの名前が挙げられる。
バンドの多くはロックンロールやR&Bをはじめとするアメリカの黒人音楽に強い影響を受けており、初期の作品はその模倣が多い。職業作曲家やバックバンド、管弦のオーケストレーションによらない自作自演スタイルをとるのも特徴である。ビートを強調したリズム、野性的なボーカル、ボーカルと対等の存在感を示すエレキギター、長髪のルックス、大人に媚びない言動はアメリカの白人アイドルにはない不良っぽさを醸し出し、これが社会的に変革の時代に突入せんとするアメリカのティーンエイジャーの心をつかんだ。
その渦中にいた彼の事ですから、スウィンギング・ブルー・ジーンズの「悪いあなた」を当然耳にしていたはず。
選曲が見事にハマったというわけです。昔取った杵柄みたいなものかも。
ヴァン・ヘイレンにしたってデビュー曲がキンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」なのですから、ブリティッシュ・インヴェンジョンの影響が多大なのでは。
ラストはピーターのデュオ時代の曲を。
フィル・スペクターのいたテディ・ベアーズのカヴァーで、「つのる想い」をどうぞ。
「つのる想い」 ピーター・アンド・ゴードン
↓ミュージシャンからプロデューサーへ転身したのは、フィル・スペクターとピーター・アッシャーが最も有名ですよね。
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